『アバター』の衛星パンドラはチベットだ
映画『アバター』を(2010年)見たとき、はじめはよく分からなかった。しかしストーリーが進むにつれ、これはチベットで起き、現在も続いている出来事にそっくりだと考えずにはいられなくなった。衛星パンドラはチベットであり、ナヴィ族はチベット人であり、クオリッチ大佐とその軍隊は共産主義中国の人民解放軍(PLA)だ。
チベットは中国の西、インドの北に位置する平和的な土地であった。聖なる王ダライ・ラマは、仏教の非暴力と慈悲の原則に従って土地を治めていた。自然や鉱物、水資源の豊富な地域であった。これらの資源は、先住民によってほとんど未踏のまま残されていた。彼らは必要な分だけで暮らし、強欲ではなかったからである。繁栄と精神的喜びが、この土地に満ちていた。世界が産業革命や世界大戦、外的物質の発展に追われている間、チベットの導師たちは生きとし生けるものの内的精神の本質を研究し、人間の価値や、平和と非暴力の空気を高めることに追われていた。
しかし1950年、チベットの高地とその豊かな天然資源への欲にかられ、共産主義中国はチベットを侵略した。彼らは約120万の人々を虐殺し、チベット寺院や僧院を破壊し、チベットは燃えさかる地獄の世界へと突き落とされた。人民解放軍は、クオリッチ大佐率いる軍隊がナヴィ族にしたのと同じことをしたのである。
しかし、チベットは現実の話である。チベット人は今も、中国の圧制のもとで苦しんでいる。亡命中の指導者ダライ・ラマが、チベットに平和の栄光をとりもどすため、非暴力かつ平和的アプローチによって勝ち取ったのは、ノーベル平和賞であってチベットではなかった。彼は休むことなく世界を飛び回り、国際社会にチベットの平和と自由への支援を呼びかけている。
今では、チベットへ続く西蔵鉄道線が完成し、中国はとがめられることもなく、躍起になってチベットの山を伐採し、川をせきとめている。
『アバター』の撮影中、ジェームズ・キャメロン監督がチベットのことを考えていたかどうかは分からないが、パンドラやナヴィ族はチベットの状況を表している。『アバター』の世界は、何世紀か後のパンドラという小さな星での出来事だ。遠い世界を見るまでもなく、アジアの中心には、チベットという実際のパンドラがある。
『アバター』を見て、実際にパンドラを見たいと思ったなら、チベットへ行ってから土地を守ってもらいたい。
Original English blog: https://denpaikyareng.blogspot.com/search?q=Avatar
2010年一月(和訳:熊谷惠雲)
Original Avatar Review:http://www.rottentomatoes.com/user/802848/reviews/
Canada Tibet Committee:http://www.tibet.ca/en/newsroom/wtn/8394
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